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古家つき土地を買って住宅を建替える時 固定資産税の負担を増加させないポイント

2026.09.28

住宅街にある古家の敷地を買って、建替えることを考える場合には、固定資産税・都市計画税(以下、固定資産税等という。)の負担を増加させないような工夫が必要です。

というのも、中古住宅の取壊し、建替えのタイミングによっては、固定資産税等の税額が跳ねあがる場合があるからです。

ポイントになるのは、①住宅用地の課税標準の特例(地方税法349条の3の2、同法702条の3、以下、住宅用地特例という。)と、②公共用道路の非課税(地方税法348条2項、同法702条の2第2項、以下、非課税という。)の定めです。

①の住宅用地特例は、賦課期日である1月1日時点で専ら人の居住の用に供する家屋が建っている場合には、その敷地は住宅用地として固定資産税等の課税標準の特例の適用により200平米まで6分の1(都市計画税は3分の1)になる制度。
したがって、賦課期日である1月1日時点で更地である場合には、この住宅用地の課税標準の特例の適用がなくなります。
このため、年の途中で親族以外の者から中古住宅を買って取壊し、更地又は建替えが完了せずに翌年1月1日を迎えてしまった場合には、住宅用地特例の適用がなくなるのです。
そうすると、年の途中で古家つきの土地を買って古家を取壊し、建替えをする場合には、年内に住宅家屋を竣工させれば固定資産税等の税額は上がらずに済むことになります。
とはいえ、建替え目的の土地等の取得が遅ければスケジュールはタイトになってしまいます。

ところで、住宅用地特例には例外があります。前年度の納税義務者と同一の個人やその親族が住宅を建て替えるために、更地にした場合など一定の要件を満たす場合には、賦課期日の1月1日時点で住宅が未着工または竣工していなくても住宅用地特例の適用を認める取扱いがあります(「住宅建替え中の土地に係る固定資産税及び都市計画税の課税について」(平成6年2月22日付自治固第17号自治省税務局固定資産税課長通達及び同通達内かん。以下建替え特例という。市区町村によってはもっと細かい取り決めをしているところもあるため、
確認が必要です。)。

この建替え特例に従えば、前年中に古家つきの土地を買って賦課期日である1月1日を迎えた後、購入者本人が古家ンおままその年度は住宅用地特例を受けつつ、古家の取壊し・建替えに着手し建替え特例を受けるメリットも享受すれば、スケジュールにも余裕が生まれるでしょう。

さて、中古住宅の建て替えに当たり、前面道路がいわゆる2項道路であるため拡幅の必要から、敷地の一部を道路に供するセットバックが必要になる場合があります。
セットバックが完了して道路に供した敷地部分は、②の非課税の定めのとおり、固定資産税等が非課税になります。
ただしセットバック部分を非課税にするには、一定の要件を満たす必要があります。
たとえば東京都の場合には、公共用の道路として非課税にするのは「細街路等の拡幅部分で道路の効用を果たしているもの(当該拡幅部分と敷地が塀、L形側溝、縁石及び目地等により明確に区分され、かつ、当該部分を庭等に積極的に利用していない場合に限り、舗装等の道路整備が未了で あってもこれに含める。)」としています。
拡幅部分と敷地が明確に区分されていなければならない点が要注意です。

住宅の新築は、まず家屋の建築工事を行い、それに次いで外構工事が行われるスケジュールが一般的です。外構工事によって敷地とセットバック部分の区分が明らかになるのが通常でしょう。
したがって、セットバック部分の区分が、固定資産税等の賦課期日である1月1日時点で明確でなければ、非課税にならないことになるのです。

そうすると、古家つき土地を買って建替える場合で、固定資産税等の税額をなるべく抑えたいなら、敷地とセットバック部分の区分が明確になる工事のスケジュールも含めて、建替えの計画をやりくりする必要があるということになります。

反面教師的な事例として最近の裁決事例では、建替え等が間に合わず住宅用地特例や非課税の適用が許されなかった東京都の裁決令和8年2月6日の裁決が参考になります。

[ 遠藤 純一 ]

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