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相続株式の譲渡で取得費加算の特例の適用件数が5千件維持

2024.08.05

国税庁がまとめた最新のデータ(令和4年事務年度)によると、相続した上場株式や非上場株式などの売却で、取得費加算の特例が利用された件数が5千件のレベルを維持していることがわかりました。

これは、国税庁への情報公開からわかったものです。

全国における直近5事務年度の相続株式譲渡に伴う取得費加算の特例の適用件数は、次の通りです。

事務年度 適用件数
H30 3,894件
R1 4,829件
R2 4,115件
R3 5,103件
R4 5,011件

三大都市圏を管轄する東京、大阪、名古屋、関東信越の国税局における相続株式譲渡に伴う取得費加算の特例適用件数は4,299件と全体の約85%を占める状況は前事務年度と変わりありません。

取得費加算の特例とは、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法39条)のことで、相続税の申告期限の翌日から3年以内に相続財産を売却すれば、支払っていた相続税の一部を売却した相続財産の取得費に加算して結果的に譲渡益を減らすことができる制度です。

一方、特定管理株式等が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例(租税特別措置法37条の11の2)の適用件数については、平成25年度税制改正以後、平成26事務年度に1,823件の適用件数を記録後、1千件を下回る水準でした。

直近の5事務年度の同特例の適用件数は次のとおりで、令和4事務年度の適用件数は8年ぶりに1千件を上回る1,344件を記録しています。

H30 483件
R1 614件
R2 893件
R3 750件
R4 1,344件

[ 遠藤 純一 ]

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