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小規模宅地等の特例 特定事業用宅地等の令和2年分までの適用状況

2022.12.12

被相続人から事業の用又は居住の用の供していた宅地を相続して一定要件を満たした場合に適用のある相続税の特例として知られているのが「小規模宅地等の特例」です。
このうち、不動産貸付業以外の事業の用に供している宅地を相続した場合に、この特例がどれくらい適用されているか、最近のデータから見てみます。
事業用の宅地を相続した場合に適用できるのは、大きく分けて2つのケースがあります。
特定事業用宅地等に該当する場合と、特定同族会社事業用宅地等に該当する場合の2つです。
このうち特定事業用宅地等に該当する場合は、被相続人が行っていた個人事業を引き継ぐ場合と、被相続人と生計を一にする相続人が被相続人の宅地を使って行っていた事業を宅地の相続後も続ける場合があります。
減額対象の宅地は最大400㎡までで、減額割合は80%です。
情報公開により明らかになった国税庁に資料によると、特定事業用宅地等の適用状況は次の通りです。
平成28年からの5年間では、毎年4千件弱の適用件数がコンスタントにあり、減額金額は300億円台となっています。

適用件数相続人数減額金額(億円)
平成28 3,895 4,772 371.3
平成29 3,940 4,836 374.6
平成30 3,979 4,869 372.6
令和1 3,758 4,571 339.8
令和2 3,565 4,354 330.6

一方、被相続人が一定の同族法人の事業に供している宅地として特定同族会社事業用宅地等に該当する場合の適用状況は次の通りです。

適用件数相続人数減額金額(億円)
平成28 3,345 4,543 439
平成29 3,332 4,613 463.8
平成30 3,398 4,674 457.7
令和1 3,279 4,371 460.6
令和2 3,385 4,548 495.5

こちらも適用件数は年間3300件内外であることがわかります。
減額金額は直近の令和2年分が495億円を記録しています。

[ 遠藤 純一 ]

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