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小規模宅地等の特例「貸付事業用宅地等」での適用件数は過去5年で最大

2022.08.08

「相続税の小規模宅地の評価減の特例」の最新の適用状況(令和年2分)から、貸付事業用宅地等を対象として適用された件数が過去5年中、最大を記録していたことが分かりました。

小規模宅地等の評価減の特例とは、被相続人等の商売の敷地(特定事業用宅地等)や自宅の敷地(特定居住用宅地等)、貸家の敷地(貸付事業用宅地等)を親族が相続した場合に、一定要件のもと、その土地の課税価額の一定割合が減額される税制上の特典です。「貸付事業用宅地等」として特例の適用がある場合には、課税価格が200㎡までについて50%減額されます。

情報公開により取得した資料によると、令和2年分の適用件数は、2万7,867件(税額が発生したもの及び税額が発生しなかったものを含む)となり、過去5年で最高となりました。また、適用者の相続人の人数は4万3,454人でこれも過去5年中で最高でした。過去5年の適用件数等の推移は次の表の通りです。

年分件数人数
28 25,680 39,657
29 26,943 41,716
30 27,366 42,555
1 26,708 41,461
2 27,867 43,454

なお、小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等に対する適用については、平成30年4月1日以後に取得した貸付事業用宅地については、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地である場合、原則として特例の適用対象から外される規制、いわゆる「3年シバリ」が施行されました。

ただし、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続等により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業用の用に供された宅地については、規制の網にはかからない経過措置が講じられていました。この経過措置が令和3年3月末で期限切れとなっています。

[ 遠藤 純一 ]

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