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小規模宅地等の特例 令和元年の「貸付事業用宅地等」に対する適用状況

2021.08.16

「相続税の小規模宅地の評価減の特例」の最新の適用状況(令和年分)から、貸付事業用宅地等を対象として適用された件数等が明らかになりました。

小規模宅地等の評価減の特例とは、被相続人等の商売の敷地(特定事業用宅地等)や自宅の敷地(特定居住用宅地等)、貸家の敷地(貸付事業用宅地等)を親族が相続した場合に、一定要件のもと、その土地の課税価額の一定割合が減額される税制上の特典です。

「貸付事業用宅地等」として特例の適用がある場合には、課税価格が200㎡までについて50%減額されます。

令和元年分の適用件数は、2万6,708件(税額が発生したもの及び税額が発生しなかったものを含む)となり前年より約2.4%減少しました。
適用者の相続人の人数は4万1,461人で前年比約2.5%の減少でした。

減額の金額もまた約2,612億円で、前年比約2%減少しています。同特例を適用した相続人一人当たりの減額金額は約630万円でした。
小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等に対する適用については、平成30年4月1日以後に取得した貸付事業用宅地については、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地である場合、原則としてこの特例の適用対象から外される規制、いわゆる「3年シバリ」が入りました。

ただし、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続等により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業用の用に供された宅地については、規制の網にはかからない経過措置が講じられていましたが、この措置が今年の期限切れとなっています。

なお、平成30年4月1日以後の取得でも事業規模等の貸付事業を行っていた宅地の場合などでは「3年シバリ」適用除外となりますが、徐々に「3年シバリ」の規制の影響がデータに現れているといえるのかもしれません。

[ 遠藤 純一 ]

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