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相続税で控除される葬式費用 令和元年は、被相続人1人当たり金額は190万円割れ

2021.06.14

相続税の計算上控除する葬式費用の被相続人1人当たりの金額が、平成10年以降直近の令和元年まで連続して減少しています。国税庁の税務統計年報の相続税の葬式費用の統計を基に計算したところによると、被相続人1人当たりの葬式費用は、平成10年に約289万6千円に上っていたのに比べ、直近の統計の令和元年では約188万7千円となり、なんと約100万円減少したことがわかりました。

被相続人数葬式費用(百万円)1人当たり(万円)
平成10年 48,142 139,436 289.63
平成20年 46,816 124,144 265.17
平成26年 54,865 128,260 233.77
平成27年 100,739 211,094 209.54
平成28年 132,826 266,780 200.84
平成29年 139,805 273,840 195.87
平成30年 145,266 279,450 192.37
令和元年 143,762 271,383 188.77

相続税の計算では、相続財産から葬式費用を控除することになっています。葬式費用を控除できるのは、財産を相続したとき国内に住んでいた個人か、相続のとき国内に住んでいなくても日本国籍があって相続開始前5年以内に国内に住所のあった個人です。当然、相続税の申告では、相続財産から控除する金額として税務当局に明らかになるため、相続税の統計で、葬式費用の変遷を調べることができます。

葬式費用とは、ご遺体を運搬する費用や火葬、納骨にかかった費用、お通夜の費用などを言うものとされています。香典返しの費用は含まれません。

最近では、財産的な問題や、被相続人だけでなく相続人自身の高齢化により参列する関係者が少なくなってくるといったこともあり、お葬式が質素になる傾向があるといいます。相続税のかかる資産家でもそうした傾向が加速している可能性があります。

[ 遠藤 純一 ]

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