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土地建物を一括して取得した場合 その価額按分で争いになった裁判例

2020.11.09

土地建物を一括して取得した不動産業者が行った土地建物の価額按分が不当だとして大阪の税務署が不適切な按分方法に対し待ったをかけた事件がありました(大阪地裁、令和2年3月12日判決)。

判決によると、問題になった不動産売買契約は、2階建て賃貸用、建築後33年経った店舗建物を借地権付で、2億7500万円で買うものです。内訳は契約書自体には記載されず、買主の思惑で借地権価額5600万円、代金から借地権価額を引いた金額が税込み建物の金額2億1900万円(消費税等約1622万円)としたといます。建物価額については古くても立地が良かったので、高い収益性を反映させた格好です。

不動産業者は、建物の税抜き価額をもとに精算分の固定資産税と仲介手数料を取借地権と建物の価額比で按分し、建物の取得価額を約2億426万円と計算。これをベースに減価償却費の計算をして法人税の申告をしました。

しかし税務署は、土地(借地権割合を考慮)・建物の固定資産税評価額の比で代金を按分、この按分比で精算固定資産税・仲介料も按分し合算することで建物の取得価額を約2814万円と算出し、原告不動産会社の多すぎる建物の取得価額から計算された減価償却費を否認し更正処分等をしたことから、最終的に法廷闘争となったものです。

大阪地裁は、減価償却資産の取得価額については、「代金額が減価償却資産の適正な価額と比較して著しく不合理なものである場合にまで「当該資産の購入の代価」に当たると解するのは相当ではない」と説示しました。

さらに大阪地裁は「土地(又は借地権)と建物が一括して売買される場合において、その売買契約において定められた土地(又は借地権)と建物それぞれの価額がその客観的な価値と比較して著しく不合理なものであるといった事情があるときには,合理的な基準により算定される合理的な価額をいうと解するのが相当」との考え方を示しました。

事例へのあてはめでは、大阪地裁は原告不動産会社の建物の取得価額について「客観的な価値と比較して著しく不合理なもの」と認定、固定資産税評価額の価額費で按分することの方が合理的だとして税務署の更正処分等を支持しています。

[ 遠藤 純一 ]

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