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固定資産税の土地評価が一部改正 市街地エリアの大きな土地は減税の公算も

2020.06.22

総務省は、固定資産税の課税ベースとなる土地の価格の評価方法(固定資産評価基準)を見直し、令和3年度の評価替えから適用することを明らかにしました。見直されるのは、公示地価等の7割水準の路線価方式で評価される市街地エリアの土地評価の一部で、ハイライトは土地の奥行が深くなるに従って補正する「奥行価格補正率」の減価が現行より強くされる点です。直近の公的な土地評価額の動向が横ばいか下落傾向にあるエリアでは、新たに求められる評価額が下がり、現行で固定資産税が本則課税となっているケースなどでは減税となる公算もあります。

普通商業地区併用住宅地区家内工業地区
24m以上28m未満 0.99⇒0.97
28m以上32m未満 0.98⇒0.95
32m以上36m未満 0.98⇒0.97 0.96⇒0.93
36m以上40m未満 0.96⇒0.95 0.94⇒0.92
40m以上44m未満 0.94⇒0.93 0.92⇒0.91
44m以上48m未満 0.92⇒0.91 0.91⇒0.90
48m以上52m未満 0.90⇒0.89 0.90⇒0.89

今回の見直しは、国税庁が土地の相続税評価のうち「広大地評価」の扱いを「地積規模の大きな宅地の評価」の扱いへと改正したことなどを背景とするものです。固定資産評価基準では「地積規模の大きな宅地」のような面積の大きな宅地に関し、奥行価格補正率の適用のほかに、普遍的な「規模格差補正率」等の補正を必要とするかどうか、総務省、地方財政審議会の固定資産評価分科会等で検討されました。しかし結論は、奥行価格補正率の適用で面積の大きな土地の評価もカバーし、これで補えないケースについては、土地の状況に応じて必要があるときに行われる個別の「所要の補正」(固定資産評価基準第1章土地第3節宅地二5)により、対応する方向でまとまった模様です。

[ 遠藤 純一 ]

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