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最新版 譲渡所得の特例の適用件数 ポイントは居住用と相続

2020.05.25

国税庁がまとめた最新の譲渡所得の特例適用件数のデータ(平成30事務年度・平成30年7月1日から令和元年6月30日まで)によると、適用件数の多かった順のランキングが明らかになりました。それは、上位10位にランキングしたのは、次の通りです。

順位特例の略称適用件数前年比増減
1 居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円控除) 56,964件 +11.17%
2 収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除 35,243件 ‐8.56%
3 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(取得費加算特例) 19,235件 +10.97%
4 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率 8,693件 +13.72%
5 空き家の譲渡所得の特別控除 7,442件 +11.04%
6 農地保有合理化等のための譲渡所得の特別控除 6,783件 +2.19%
7 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除 5,522件 -13.27%
8 優良住宅地の造成等のための長期譲渡所得の課税の特例 4,639件 +5.57%
9 特定住宅地造成事業等のための譲渡所得の特別控除 3,402件 +4.87%
10 固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例 3,238件 -2.67%

このうち、特筆すべきは、1位の居住用の3,000万円控除と4位の居住用の軽減税率の適用件数が、過去15年間で最高を記録したことです。リーマンショックを経て、実需である居住用不動産の含み益を実現した件数が以前の水準を超えて、ここまで伸びてきたことに感慨を覚えます。

一方、3位の取得費加算の特例の適用件数も過去15年で最高を記録しました。また、5位の空き家の譲渡所得の特別控除も創設以来の最高の適用件数となりました。

平成30年現在、巷では「居住用」と「相続」が譲渡所得の特例の適用場面でポイントになっていたと言えそうです。

[ 遠藤 純一 ]

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