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小規模宅地等の特例 平成30年の「貸付事業用宅地等」に対する適用状況

2020.05.18

「相続税の小規模宅地の評価減の特例」の最新の適用状況(平成30年分)から、貸付事業用宅地等を対象として適用された件数等が明らかになりました。

小規模宅地等の評価減の特例とは、被相続人等の商売の敷地(特定事業用宅地等)や自宅の敷地(特定居住用宅地等)、貸家の敷地(貸付事業用宅地等)を親族が相続した場合に、一定要件のもと、その土地の課税価額の一定割合が減額される税制上の特典です。

「貸付事業用宅地等」として特例の適用がある場合には、課税価格が200㎡までについて50%減額されます。

平成30年分の適用件数は、2万7,366件(税額が発生したもの及び税額が発生しなかったものを含む)となり前年より約1.5%微増しました。適用者の相続人の人数は4万2,555人で前年比約2%の増加でした。

これに対し減額の金額は約2,667億円で、前年比約5.7%も伸びています。これは、対象となった宅地の価額が上昇した影響と見られます。同特例を適用した相続人一人当たりの減額金額は約626万円でした。

小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等に対する適用については、平成30年4月1日から、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地については、適用から外される規制が入りました。

ただし、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続等により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業用の用に供された宅地については、規制の網にはかからない経過措置が講じられており、規制の影響がデータに現れるのは、まだ先のことになりそうです。

[ 遠藤 純一 ]

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