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贈与税の「お尋ね文書」 最近の発送動向

2020.01.27

税務当局から発送される「お尋ね文書」にはいろいろな種類がありますが、たとえば贈与税事務マニュアルとなっている国税庁の「資産税事務提要」によると、贈与税のかかりそうな基準に該当した人を絞り込んで、送付する仕組みです。

このほかに、事業を新規開業した人に発送される「新規開業資料にかかるお尋ね」、不動産の登記名義を変えた場合に発送される「登記名義の変更についてのお尋ね」があります。

国税庁の「贈与税の「お尋ね」照会実施状況」の最新データによると、平成29年分、平成30年分の2年分については、「新規開業資料に係るお尋ね」が0件だったことがわかりました。

一方「買い入れ資産についてのお尋ね」の発送件数は、平成28年分の1万3,276件をピークに、平成29年分は9,519件、平成30年分は7,629件と減少傾向にあります。

このうち、お尋ね発送後に税務署が改めて再提出を求めた件数は、平成29年分が2,411件、平成30年分が1,919」件でした。全体の回答率は、平成29年、平成分30年分ともおよそ55%でした。

「買入れ資産についてのお尋ね」とは、不動産を購入したと見られるケースが選定され、発送されるものです。お尋ねの内容は、購入金額のほか、購入者の職業や共有者の有無、購入時の関連費用、支払い金額の出所を問うものです。

「登記名義の変更についてのお尋ね」は平成29年分の発送件数が1,856件、平成30年分は1,476件で、回答率は両年分とも、およそ70%台でした。

これらのお尋ねは、踏み込んだ実地の税務調査などに着手する事案を選定するために行われています。また、こうした照会により得た資料は、単に贈与税だけでなく、譲渡所得税等の調査にも活用されることがあります。

[ 遠藤 純一 ]

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