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企業組織再編税制事前照会案件200件越えが定着か?

2020.01.14

「企業組織再編税制」の適用等に関し納税者サイドから国税局に対して事前照会を行うことができます。こうした事前照会の最近の推移は、次の通り、平成29事務年度(事務年度は7月1日?翌年6月30日まで)は新規受理件数が232件、回答件数218件にのぼり、過去5年間で最多を記録、平成30事務年度も新規受理件数が219件、回答件数が208件と、いずれも200件の大台を超えている状況です。

適格合併でも、組織再編税制に係る行為・計算否認規定の適用があるとする控訴審判決が東京高裁で出ていることもあり、注目度は高いようです。

これは、国税庁が国税局等への事前照会事案の処理状況をまとめた内部資料情報公開したことによりわかったものです。

事務年度252627282930
新規受理 170 186 156 200 232 219
回答 157 166 131 163 218 208

事前照会とは、納税者が「実際の取引」や「事実関係」に対する税務上の取扱いがどのようになるかについて税務署・国税局へ文書等により質問を行うことです。

企業組織再編税制は、会社分割制度等を規定した平成12年改正の商法(当時)の施行に伴って導入された税制。会社の合併、会社分割などの事案が、税制上適格再編の要件を満たす場合には企業保有の資産の譲渡益を繰り延べ、税制上適格再編の要件を満たさない場合には、企業の資産について時価で譲渡されたものとして扱われます。事例によっては取扱いが難しくなるため、国税当局は当初から納税者の便宜のため事前照会を受付て、回答する運営体制をとってきたものです。

[ 遠藤 純一 ]

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