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2019.04.22不動産相続に伴う固定資産税にご用心 ポイントは登記名義

遺産分割で不動産を相続しなかったのに固定資産税・都市計画税の納税通知書が届けられたり、不動産を共同で相続したのに自分だけ固定資産税の納税通知書が届けられたりして、固定資産税や都市計画税の課税をめぐり不審に思う人が少なくありません。実際、こうした不審から不服審査請求をする人が多い現実もあります。というのも、固定資産税や都市計画税の納税義務者を決めるルールでは、必ずしも本当の所有者だけが納税義務者になるとは、限らないからです。

固定資産税・都市計画税は、賦課期日(1月1日)時点で不動産などの所有者になっている人に課税されます(地方税法343条1項、702条2項)。
これが納税義務者を決める大原則です。

ここで所有者とは、課税対象が土地や家屋の場合、登記簿や土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に所有者として登記されている人を指します。
これがクセモノです。なぜなら賦課期日の1月1日に登記簿に所有者として公示されている人は、真実の権利関係がどうであろうと、その年度の固定資産の納税義務者になるからです(大阪地裁昭和51年8月10日判決)。

実は最近、このようなことで疑問に思った人が東京都に対し不服審査請求をした事例がありました(東京都裁決平成30年10月5日)。Aさんは平成23年に開始した相続で、区分所有の土地建物(土地持ち分換算約15㎡、専有面積約50㎡)について平成29年9月になって相続を原因として弟と共有で所有権の移転登記を受けました。都税事務所は、登記所からの通知を受けて、この兄弟につき固定資産課税台帳にこの区分所有土地建物の所有者として登録しました。Aさんは、遺産分割でこの不動産を相続せず、弟の単独所有となることが決まっているのに、弟が登記名義の変更に協力しないため裁判を起こし、翌年3月までに裁判の結果を受けてこの不動産の名義を弟単独にさせることができました。

ところが、この年の6月にAさんのもとにこの不動産の固定資産税・都市計画税の納税通知書が届けられたといいます。そこでAさんは「自分が相続しなかったのに課税するのはおかしい。登記名義の筆頭者(Aさん)にだけ、納税通知書を送るのもおかしい」として審査請求に及んだということです。

しかし審査した東京都は、「法令の定めに則ってなされたものであり、違法又は不当とすべき点は何ら認められない」と都税事務所の処分を支持しています。その理由は次の通りです。

  1. 賦課期日において登記簿に所有者として公示されている者は、真実の権利関係の如何にかかわらずその年度の固定資産の納税義務者として決定される。
  2. 共有物に対する地方団体の徴収金は、共有者に連帯納税義務があり(地方税法10条の2)、連帯債務に関する民法432条から434条まで、437条及び439条から444条までの規定が準用される。したがって、連帯納税義務者の1人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯納税義務者に対し、徴収金の全部又は一部の納税告知をすることができる。

[ 遠藤 純一 ]

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