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庭先土地活用にご用心 1月1日またぐ固定資産税アップの憂き目

2019.02.18

庭先の2筆の土地(200㎡弱)に建物を建てて賃貸するため、平成30年1月1日をまたいで開発を開始したところ、住宅の建つ土地と庭先は別の土地として住宅用地はならないものと扱われ、高い固定資産税・都市計画税が課税された事例が明らかになりました(平成30年12月7日東京都裁決)。

裁決書によると、納税者Aさんは、年明けの同年1月5日から半年で工事をするとして、問題の住宅の庭先の土地について「固定資産税の住宅用地等申告書」を都税事務所に提出していました。しかし平成29年12月27日と翌年1月4日に現地に赴いた都税事務所職員は、庭先の土地に開発が開始され、庭先と住宅の敷地の境界には6段のブロック塀があったこと、基礎工事が行われていたこと等を確認。これを受けて都税事務所は、庭先の土地が固定資産税の課税標準が最大6分の1(都市計画税は3分の1)になる「住宅用地の特例」の適用はないものと判断し、同年6月1日までにおよそ80万円もの賦課決定しました。これを不服としてAさんが審査請求したものです。

審査した東京都は、住宅特例の対象となる住宅用地について「専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地」(地方税法349条の3の2)となっていること、具体的な認定については、取扱い通達によれば、住宅の「敷地の用に供されている土地」とは、「当該住宅を維持し、またはその効用を果たすために使用されている一画地の土地」をいうとされ、また、「一画地の土地は、道路、塀、垣根、溝等によって他の土地と区分して認定するものとする」とされていること(平成9年4月1日付自治固第13号自治省税務局固定資産税課長通知「地方税法第349条の3の2の規定における住宅用地の認定について」)を確認。

そのうえで、東京都は庭先の土地が住宅の敷地とブロック塀で区分されている事実から、住宅の敷地と同じ一画地の土地と扱うことはできず、住宅用地に該当しないとの都税事務所の判断を支持しています。

税負担の面からも土地活用は計画的に行いたいものです。

[ 遠藤 純一 ]

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