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被相続人の空き家を譲渡した場合の優遇税制改正で要件緩和・適用期限延長へ

2019.02.12

一人住まいの親が亡くなって空き家になった実家を相続人が売る場合に適用できる優遇税制「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下、空き家特例といいます。)の適用期限が延長され、一部適用要件が緩和されます。
これは平成31年度税制改正大綱で明らかにされたものです。

特例は、空き家の実家を譲渡したとき、所定の要件を満たす場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除する仕組み。このほど緩和されるのは、被相続人がなくなる直前にその住宅に住んでいるという要件について、要介護認定等を受けて住宅から離れて一定の要件を満たす介護施設に入所していた場合でも、もとの住宅に住んでいたこととして、特例の適用を認めるというものです。
また、適用期限が平成35(2023)年の年末までに延長されます。

さきごろに閣議決定された「所得税法等の一部を改正する法律案」によると、「居住の用」に「居住の用に供することができない事由として政令で定める事由(以下この項及び次の項において「特定事由」という。)により当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかった場合における当該特定事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用を含む」(一部カッコ書きを割愛)とされました。大綱で緩和される要件として掲記されていた「被相続人が介護保険法に規定する要介護認
定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと」については、特定事由として政令で整備されることが予想されます。

また法案では、同居人要件については施設に入所して住宅に住まなくなる直前で判定されるほか、転用制限についても施設に入所以後となるなど、要件の整備がなされています。

[ 遠藤 純一 ]

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