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土砂災害特別警戒区域内の土地に評価減 国税庁が財産評価基本通達を改正へ

2018.11.05

国税庁は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(以下、土砂災害防止法といいます。)9条に基づいて指定された「土砂災害特別警戒区域」内の土地について、一定の補正を行い評価減する方針で、現在、財産評価基本通達の改正案を公開し、一般の意見を求めるパブリックコメント手続きを行っています。

土砂災害防止法では、国土交通大臣が定めた土砂災害防止対策基本指針により、概ね5年ごとに基礎調査を行うことになっています。基礎調査は、急傾斜地の崩壊等のおそれがある土地に関する地形、地質、降水等の状況及び土砂災害の発生のおそれがある土地の利用の状況その他の事項に関する調査のこと。最近では、豪雨を原因とする土石流などにより、甚大な災害が数多く発生していることから、この調査結果を公開し、以下に見る土砂災害警戒区域等の指定を促進することが強調されているところです。

これに基づいて都道府県知事はまず、災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべきとして区域として「土砂災害警戒区域」を指定し、さらに急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命や身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室を有する建築物の構造の規制をすべき土地の区域として政令で定める基準に該当する場合に「土砂災害特別警戒区域」を指定することになっています。

国税庁は、土地のうち土砂災害特別警戒区域にかかる部分の割合に応じて、減価する補正率(特別警戒区域補正率)を適用する取扱い案を明らかにしました。

特別警戒区域補正率表

特別警戒区域の地積/総地積 補正率
0.10以上 0.90
0.40以上 0.80
0.70以上 0.70

がけ地補正率の適用がある場合には、特別警戒区域補正率都がけ地補正率を乗じた値により補正することとしています。ただし、補正は0.50を限度とします。
適用は平成31年1月1日以後の相続・遺贈により取得した土地からの予定で、パブリックコメントの意見受付は今年11月15日まで。

[ 遠藤 純一 ]

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