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特定物納状況 平成29年度は申請3件の低水準に
2018.10.01
相続税を分割払いにする延納で納めていた人が、後で払えなくなったため、相続財産そのもので支払う「特定物納」への変更を申請した件数が平成29年度、3件だったことがわかりました。これは、平成26年度以来の低水準でした。
国税庁の資料によると、平成26年度以降の特定物納の申請件数と申請金額、許可件数と許可に係る金額の推移は以下の表のとおりです。
特定物納 | 26年度 | 27年度 | 28年度 | 29年度 |
---|---|---|---|---|
申請件数 | 3 | 14 | 19 | 3 |
申請金額(千万円) | 22 | 11 | 42 | 11 |
繰り越し分込みの処理件数 | 1 | 10 | 22 | 2 |
処理未済 | 0 | 4 | 1 | 2 |
許可件数 | 4 | 10 | 19 | 1 |
許可金額(千万円) | 23 | 0.6 | 34 | 4.8 |
内訳は、関東信越国税局管内で申請1件、申請金額が約1,400万円、東京国税局管内で申請1件で申請金額は約5,400万円、名古屋国税局管内では申請1件で申請金額は約4,800万円でした。許可が認められたのは名古屋国税局管内の1件でした。
特定物納は、平成18年度税制改正で創設された延納から物納への変更を認める制度です。対象となる納税者は、相続税を分割払いする「延納」を選択していた人です。その人が分割払いの条件を緩和しても現金で納付ができなくなった場合、所定の要件のもと、まだ納期限が来ていない分割払いの相続税額を対象に相続した財産自体を税金として国に納めることが許されるという制度です。
ただし、国に相続税として納める相続財産の評価額は、納税者が特定物納を税務署長に申請したときの相続税評価額です。このため、相続したときよりも財産の評価額が低くなれば、不利になるケースもでてくることから、
慎重な判断が求められます。
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