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平成28事務年度の相続税の実地調査 課税価格1億円未満の事案に対し実地調査が40%増

2018.09.25

直近の平成28事務年度(平成28年7月1日から平成29年6月30日まで)の間に行われた相続税の実地調査件数の課税価格の階級別のデータによると、課税価格1億円未満の事案に対する実地調査件数が、前事務年度より約40.4%増加していたことがわかりました。これは情報公開により明らかになったものです。

実地調査とは、相続税の計算の基礎となった事実関係などについて相続人など関係者に赴き調査を行うことです。平成27・28事務年度の階級別データによると、実施件数、要更正件数は次の通りです。

実地調査は件数的には、1億円未満の課税価格帯の増加が実だっていることがわかるとともに、このうち要更正件数は44.1%もの高率を記録しているところが注目されます。

実地調査件数要更正件数
事務年度27282728
5千万円未満 47 70 28 40
5千万円以上1億円未満 897 1,256 690 995
1億円未満合計 944 1,326 718 1,035
前事務年度比 40.46 44.15
1億円以上合計 10,991 10,790 8,824 8,895
前事務年度比 -1.82 0.8

課税価格階級5千万円未満のクラスでは、平成28事務年度は70件と増加。このうち更正を要する件数も40件に増えている状況です。

実地調査により課税価格に申告漏れなどがあったとして課税価格が修正されて増加した金額のデータは次の通りです。増差も約36%増加しており、当局が広く課税する改正相続税の徹底を図っていることが読み取れます。

単位・百万円増差課税価格
事務年度2728
5千万円未満 995 1,355
5千万円以上1億円未満 26,725 36,461
1億円未満合計 27,720 37,816
前事務年度比 36.42 36.42
1億円以上合計 272,723 291,710
前事務年度比 6.96

[ 遠藤 純一 ]

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