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空き家の譲渡特例は人気上々 創設の年(28事務年度)の適用件数は4,488件

2018.08.06

一人住まいの親が住んでいた住宅を、その親の死亡に伴い相続した人が売る場合に適用できる優遇税制「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下、空き家の譲渡特例といいます。)が創設された年は平成28年です。
この年に空き家特例が適用された件数が明らかになりました。

情報公開制度で入手した国税庁の内部資料によると、平成28事務年度の適用件数は4,488件に上ります。
これは、この年の譲渡特例の適用件数上位8位に食い込む件数となりました。

空き家の譲渡特例は、所定の要件を満たす場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除するというものです。適用対象は「相続開始の直前まで被相続人が住んでいた居住用家屋とその敷地」です。
ただし、①家屋が区分所有建築物でないこと、②昭和56年5月31日以前に建築されたものであること(つまり旧耐震など)、③相続開始の直前まで同居人がいなかったことの3つが前提条件です。

適用対象となる人は、上記の住宅等を相続により取得した人です。この人が相続した空き家を平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、一定の要件を満たす譲渡した場合に適用があるとされます。
一定の要件を満たす譲渡とは次の2つです。

1、空き家の実家を新耐震基準に適合するようリフォームして敷地とともに譲渡する場合
2、空き家の実家を除却し、敷地のみを譲渡する場合

いずれも、相続してから譲渡するまでに、建物や敷地を相続人が商売など事業の用に供したり、他へ貸し付けたりしていないことが要件になっています。
なおア、相続が開始した日から3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡すること、イ、譲渡対価が1億円以下であることもクリアする必要があります。

[ 遠藤 純一 ]

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