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贈与税の「お尋ね文書」 28年分は増加

2018.01.29

国税庁がまとめている「贈与税の「お尋ね」照会実施状況」の最新データによると、次の通り、平成27年、平成28年分のお尋ね文書の発送とそれに対する回答件数の動向がわかります。

それによると、28年分は「買い入れ資産についてのお尋ね」の発送件数が倍増、回答件数もほぼ倍に近い増加となっています。

年分 27 28
買い入資産対象件数 19,864 38,775
発送件数 6,775 13,276
回答件数 3,724 6,414
再提出依頼件数 1,549 3,844
再提出件数 683 1,383
全回答件数 4,407 7,797
回答割合 65.04 58.73
登記名義変更対象 6,657 7,113
発送件数 2,385 2,285
回答件数 1,950 1,857
回答割合 81.76 81.26
新規開業対象 3 3
発送件数 3 3
回答件数 1 3
回答割合 33.33 100

「買入れ資産についてのお尋ね」とは、不動産を購入したと見られるケースが選定され、発送されるものです。
お尋ねの内容は、購入金額のほか、購入者の職業や共有者の有無、購入時の関連費用、支払い金額の出所を問うものです。

贈与税の事務のマニュアルとなっている国税庁の「資産税事務提要」によると、贈与税のかかりそうな基準に該当した人を絞り込んで、送付する仕組みです。
このほかに、事業を新規開業した人に発送される「新規開業資料にかかるお尋ね」、不動産の登記名義を変えた場合に発送される「登記名義の変更についてのお尋ね」があります。

これらのお尋ねは、踏み込んだ実地の税務調査などに着手する事案を選定するために行われています。また、こうした照会により得た資料は、単に贈与税だけでなく、譲渡所得税等の調査にも活用されることがあります。

[ 遠藤 純一 ]

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