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建築基準法上の道路でない通路に路線価 角地とされ評価額がアップした事例

2026.02.09

角地で、現状は駐車場の宅地の持ち分の贈与を受けた人がいました。この角地は角を起点とした建築基準法上の道路と、建築基準法上の道路でない通路に接するものでした。この角地の相続税評価額を巡って、受贈者である納税者と税務署が争いになった事例がありました(国税不服審判所令和7年8月18日裁決)。今回は情報公開により明らかになったこの事例を紹
介します。

争いになった角地(約730㎡)は、南側に幅員1.6mから2.5mほどの舗装された道路Aに接し、これと接続する南北に延びる、幅員が4m以上ある舗装された道路Bにも接していました。どちらも路線価が付けられていました。

問題になったのは道路Aでした。

角地の持ち分100分の72の贈与を受けた納税者Xさんは、角地であるため側方路線影響加算を適用して贈与税の申告をしていましたが、道路Aが建築基準法上の道路ではないことから、申告を改めて贈与税額を減額する「更正の請求」を税務署に提出しました。
しかし税務署は、側方路線影響加算を適用したことに誤りはないとXさんに通知しました。Xさんはこれを不服として国税不服審判所(以下、審判所という。)に判断を仰ぐことにしたものです。

Xさんは、道路Aが建築基準法上の道路ではないため建蔽率の限度緩和措置が受けられないこと、車で通り抜けができないことをあげて、角地としての利用価値は高まっていないと主張。評価額は時価を上回るとして、側方路絲影響加算の適用を取り消すことを求めました。


審判所はまず、評価通達には、路線価の敷設を建築基準法上の道路に限定する旨の定めはないと指摘しました。
その上で審判所は、道路Aに路線価を設定すべきではないとするXさんの主張を採用することはできないと判断しました。

また審判所は側方路線影響加算について、「1つの道路に面する土地に比べて、出入りの便が良くなるほか、採光及び通風にも有利になることは明らか」であり、問題の土地には側方路線影響加算を適用することが相当だと判断。「角地としての建蔽率の限度緩和措置が受けられないことや(道路Aの)幅員が狭く車両の往来ができないことは、側方路線影響加算の適用
の可否を左右するものではない」とXさんの主張を退けています。

[ 遠藤 純一 ]

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