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TACTニュース
No.993

住宅借入金等特別控除の申告では、住宅の種類を間違うミスにご用心

1.はじめに

住宅借入金等特別控除(以下「ローン控除」という。)は、住宅の種類別に異なる借入限度額が見直されています。そこで避けたいのが、ローン控除の適用のための確定申告で、住宅の種類を誤る申告ミスです。というのも、住宅の種類を誤り、取得した住宅本来の種類よりも、借入限度額の低い住宅の種類を基に、いったん適法に確定申告をしてしまうと、後で修正ができないからです。こうしたミスは、家計のやりくりに狂いを生じさせるので要注意です。

2.より有利な修正ができない理由

所得税の確定申告をした後では、「更正の請求」という手続きで、課税対象となった所得金額や税額を減額して正すことができます(国税通則法23条)。ただし、正すべき誤りが、税法の定めに従っていない誤り等により、税額が過大になっていること(同条1項1号)が必要なのです。反対に、税法の定めに従って適正に申告されている場合には、さらに有利となる税額の減額は認められません。(国税不服審判所令和7年9月26日公開裁決)。
https://www.kfs.go.jp/service/JP/140/01/index.html

3.借入限度額と控除額の違い

現行制度の主な住宅の種類ごとの借入限度額と控除額の上限は、次のとおりです。

表1   居住年→ 2026~27 2028~30
住宅の種類↓ ↓借入限度額【控除上限額】(万円)
新築等 長期優良・低炭素 4,500 【409.5】
ZEH水準省エネ 3,500 【318.5】
省エネ基準適合 2,000【182】 原則0(一定の場合2000)
既存 長期優良・低炭素 3,500 【318.5】
ZEH水準省エネ 3,500 【318.5】
省エネ基準適合 2,000【182】

仮に省エネ基準適合住宅とZHE水準省エネ住宅を確定申告で間違えた場合には、上表のとおり、省エネ基準適合住宅とZEH水準省エネ住宅の最大控除額の差額は13年間で136.5万円。1年間で最大10.5万円の差額になります。
このため、住宅の種類の確認をしっかり行い、慌てずに余裕をもって確定申告することが大切になってくるのです。万が一、住宅の種類を間違えて申告したとしても、確定申告期限までなら、確定申告書の再提出ができるのです。

4.住宅の種類の確認で必要な書面等

購入した住宅に適用できるローン控除の借入限度額は、次の書面で確認できます。

住宅の種類 住宅の種類を確認するための書類
長期優良 長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
特定認定長期優良住宅に該当する等の住宅用家屋証明書OR認定長期
優良住宅建築証明書
低炭素 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
認定低炭素住宅に該当する等の住宅用家屋証明書OR認定低炭素住宅建築証明書
ZEH水準省エネ 住宅省エネルギー性能証明書OR建設住宅性能評価書の写し(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上であることを確認)
省エネ基準適合 住宅省エネルギー性能証明書OR建設住宅性能評価書の写し(断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上であることを確認)

住宅区分を確認する書面にはおよそ①長期優良住宅や低炭素住宅の認定通知書のように、設計・着工前から手配しなければならない書面、②建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書のように、工事の進行、完成後の資料を踏まえて交付される書面があります。
したがって、建築確認済証を取得した後に短期間で全ての書面が当然にそろうわけではありません。契約時、着工前、竣工時、登記時、確定申告前の各段階で取得状況を確認する必要があります。
長期優良住宅や低炭素住宅に係る住宅家屋証明を取得するには上記認定通知書等が必要になります。必要書類は市町村等の担当部署で確認しましょう。

書面 主な交付主体 手続き等
長期優良住宅建築等計画の認定通知書 所管行政庁(都道府県、市又は区) 原則として着工前に申請する。多くの場合、登録住宅性能評価機関による長期使用構造等の確認書等を先に取得し、その後に所管行政庁へ認定申請する。
低炭素建築物新築等計画の認定通知書 所管行政庁 同上
住宅省エネルギー性能証明書 登録建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関など 設計図書、仕様書、設備資料、工事監理報告書等の資料がそろった後に発行依頼する。
建設住宅性能評価書 登録住宅性能評価機関 設計住宅性能評価後、工事中の工程検査を経て、全ての検査完了後に交付される。

[ 遠藤 純一 ]

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