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2018.09.18No.753 贈与税の納税猶予の特例措置に係る特例承継計画策定のポイント

カテゴリー:事業承継

1.特例措置と特例承継計画の関係

その会社が非上場株式に係る贈与税の納税猶予の特例措置(以下「特例措置」)の対象会社に該当するためには、都道府県知事の認定を受けることが要件とされ(措法70の7の5⑤)、その認定申請の際は、特例承継計画の記載事項に係る都道府県知事の確認書(円滑化規17④)を添付する必要があります(同7⑥十)。また、特例措置の適用を受ける後継者(「特例経営承継受贈者」)に該当するためには、上記のとおり会社が特例承継計画に係る都道府県知事の確認を受け、その計画において、その個人が後述の「特例後継者」として認められていることが要件とされます(措法70の7の5②六)。さらに特例措置の適用に係る贈与税の申告書には、特例承継計画に係る都道府県知事の確認の写し及びその確認申請の写しの添付が求められています(同⑤、措規23の12の2⑭六)。以上により、特例措置の適用を受けるためには、会社において特例承継計画の作成と、その記載事項に係る都道府県知事への確認申請を行うことが不可欠となります。

2.特例承継計画に記載する内容

(1)会社が記載する事項

特例承継計画を作成した会社は、その計画に記載された事項について都道府県知事の確認を受けようとする場合は、2023年3月31日までに、様式第21の申請書に次の①~⑤の事項を記載のうえ、都道府県知事に提出する必要があります(円滑化規17②、16①一)。
①その会社が中小企業者(円滑化法2。要するに、 
資本金額が一定額以下又は従業員数が一定の人数以下の会社をいう。)であること。
②その会社に特例代表者*1がいること。
*1特例代表者とは、特例承継計画提出時にその会社の株式を保有し、かつ、その会社の代表者である者(代表権を制限されている者を除く。)又は代表者であった者をいいます(円滑化規16一ハ)。
③その会社に特例後継者*2がいること
*2特例後継者とは、次のいずれかの者(3人を限度)をいいます(同ロ)。
イ.その会社の代表者(代表者であった者を含む。) が死亡又は退任した場合の新たな代表者の候補者であって、その代表者から相続若しくは遺贈又は贈与により、その代表者が有するその会社の株式等を取得することが見込まれるもの
ロ.その会社の代表者であって、その中小企業者の他の代表者(代表者であった者を含む。)から相続もしくは遺贈または贈与により、その会社の株式を取得することが見込まれるもの
④特例代表者が有するその会社の株式を、特例後継者が取得するまでの期間における経営に関する具体的な計画を有していること。
⑤特例後継者が特例代表者から株式等を承継後5年間の経営に関する具体的な計画を有していること。

(2)認定支援機関の指導・助言

特例承継計画の策定の際には、認定支援機関*3が事業承継を行う時期や準備状況、事業承継時までの経営上の課題とその対処方針、事業承継後の事業計画の取り組みの評価や実現可能性および計画の実現可能性を高めるための指導・助言を行います。下記3の都道府県知事への特例承継計画の確認申請の際には、様式第21の申請書の「別紙」に、認定支援機関による指導・助言の内容を記載します。
*3認定支援機関(「認定経営革新等支援機関」)とは、中小企業等経営強化法21条に基づき国が認定した機関や人をいい(円滑化規16一かっこ書)、税理士、金融機関、商工会議所等の税務、金融及び企業の財務に関する専門的知識(又は同等以上の能力)を有し、経営革新計画策定等の業務について一定の経験年数を持つものをいいます。 

3.都道府県知事に対する確認申請の手続

特例承継計画に係る都道府県知事の確認を受けようとする会社は、2023年3月31日までに、様式第21の申請書に一定の書類等を添付して、都道府県知事に提出する必要があります(同17②)。

4.特例後継者の変更と特例承継計画

特例承継計画に係る都道府県知事の確認を受けた会社が、特例後継者(既に株式の贈与を受けて贈与税の特例措置の適用を受けた特例後継者を除く。)を変更するときは、認定支援機関の指導及び助言を受けて都道府県知事に変更申請書を提出し、確認を受ける必要があります(同18①)。(担当:山崎信義)

※特例承継計画策定の詳細につきましては、弊社編著「ポイント解説 新・事業承継税制Q&A」(日本法令)をご参照ください。

[ 山崎 信義 ]

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