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2018.03.26No.730 株主総会の決議要件と主な決議事項

カテゴリー:その他

会社法上、株式会社における株主総会の決議には、(1)普通決議、(2)普通決議の特則、(3)特別決議、(4)特殊決議、(5)特別特殊決議があります。
株主総会の決議要件と主な決議事項をまとめると、次の通りとなります。

(1)普通決議(会社法309条第1項)

普通決議は、定款に別段の定めのある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その出席株主の議決権の過半数の賛成が必要な決議です。
普通決議を要する主な事項としては、次のようなものがあります。
①全株主を対象とする自己株式の取得(特定の株主からの取得を除く。後述(3)①参照)
②剰余金の配当(金銭分配請求権を与えない現物配当を除きます。後述(3)⑧参照)
③剰余金の額の減少による資本金・準備金の増加
④取締役、監査役の報酬の決定

(2)普通決議の特則(会社法341条)

取締役、会計参与及び監査役の選任又は取締役(一定の者を除きます。)及び会計参与の解任については、上記(1)にかかわらず、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(議決権の3分の1以上の割合を定款で定めた場合は、その割合以上)を有する株主が出席し、その出席株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)の賛成が必要とされます。

(3)特別決議(会社法309条第2項)

特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(議決権の3分の1以上の割合を定款で定めた場合は、その割合以上)を有する株主が出席し、その出席株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)以上の多数の賛成が必要な決議です。また、これに加えて、定款の定めにより、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を設けることもできます。
特別決議を要する主な事項としては、次のようなものがあります。
①特定の株主からの自己株式取得(同156条第1項、160条第1項)
②相続人等に対する売渡しの請求(同175条第1項)
③全部取得条項付種類株式(その種類の株式について、発行する株式会社が株主総会の決議により、その種類の株式の全部を取得できる株式をいいます。)の取得(同171条第1項)
④株式の併合(同180条第1項、第2項)
⑤自己株式の処分・新株発行に係る募集事項の決定(同199条第1項、第2項)
⑥一定の取締役及び監査役の解任(同339条第1項)
⑦資本金の額の減少(定時株主総会で欠損の額を超えないものを除く。)(同447条第1項)
⑧金銭分配請求権を与えない現物配当(同454条第4項)
⑨定款の変更(同第6章)
⑩株式会社の解散(同第8章)
⑪合併、会社分割、株式交換、株式移転(同第5編)

(4)特殊決議(会社法309条第3項)

特殊決議とは、議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)であって、その株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)以上の多数の賛成が必要な決議です。
特殊決議を要する事項は、次の通りです。
①発行する株式の全部に譲渡制限を付すための定款の変更
②一定の合併契約等の承認(同783条第1項等)

(5)特別特殊決議(会社法309条第4項)

特別特殊決議とは、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)であって、総株主の議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)以上の多数の賛成が必要な決議です。
譲渡制限会社(発行する株式の全部について、譲渡による株式の取得につき、株式会社の承認を要する旨を定款に定めている株式会社をいいます。)において、株主ごとに異なる取扱いをする旨の定款の変更(同109条第2項)を行う場合には、この特別特殊決議が必要です。

[ 山崎 信義 ]

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