速報!令和5年度税制改正案
~与党税制改正大綱に盛り込まれた資産課税を中心とする改正案の主な内容は以下のとおり~
【相続税・贈与税】《「令和5年度税制改正大綱」P41~42、42~43、43、21》 |
---|
1.相続時精算課税制度の見直し(1)相続時精算課税適用者(受贈者)が特定贈与者から贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税につき、現行の基礎控除とは別に、課税価格から基礎控除110万円を控除できることとされる。特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算等をされる特定贈与者から贈与により取得した財産の価額は、上記の控除後の残額とされる。 (2)相続時精算課税適用者(受贈者)が特定贈与者から贈与により取得した一定の土地又は建物が、その贈与の日から特定贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間に災害によって一定の被害を受けた場合は、相続税の課税価格への加算等の基礎となるその土地又は建物の価額は、その贈与の時における価額からその価額のうちその災害によって被害を受けた部分に相当する額を控除した残額とされる。 2.相続開始前に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算期間等の見直し相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前7年以内(現行3年以内)にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得した財産の価額(その財産のうち、その相続の開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)が相続税の課税価格に加算される。 3.教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し(1)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長される。 (2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、受贈者が50歳に達した場合等において、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額に贈与税が課されるときは、一般税率を適用することとした上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長される。 4.マンションの相続税評価の適正化の検討マンションの評価方法について、相続税法の時価主義の下、市場価格との乖離の実態を踏まえ適正化が検討される。 |
【個人所得課税(極めて高い水準の所得に対する負担の適正化税制の創設)】令和5年度税制改正大綱」P32》 |
---|
令和7年分以後の所得税について、[その年分の基準所得金額-3億3,000万円]に22.5%の税率を乗じた金額が、その年分の基準所得税額を超える場合には、その超える金額に相当する所得税が課される。 |
【住宅・土地税制(所得税・法人税)】《「令和5年度税制改正大綱」P33、71~72》 |
---|
1.空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例の拡充等次の措置を講じた上、その適用期限が令和9年12月31日まで4年延長される。 (2)相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等(以下「被相続人居住用家屋等」)の取得をした相続人の数が3人以上である場合には、特別控除額が2,000万円とされる。 2.特定の資産の買換えの場合等の課税の特例の見直し(法人税)次の見直しを行った上、その適用期限が3年延長される(所得税についても同様)。 |
【消費税】《「令和5年度税制改正大綱」P77~78》 |
---|
1.適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置の創設(1)適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者が①適格請求書発行事業者となったこと、又は②課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられない場合には、確定申告書にその適用を受ける旨の付記をすることにより、その課税期間の消費税の納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができる。 2.少額の課税仕入れに係る仕入税額控除の特例基準期間の課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、その課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除が認められる。 3.適格返還請求書の交付義務免除の特例の創設令和5年10月1日以後の課税資産の譲渡等につき行う売上げに係る対価の返還等について、その対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合は、その適格返還請求書の交付義務が免除される。 |
【中小企業税制等(法人税・所得税等)】《「令和5年度税制改正大綱」P63、72~73》 |
---|
1.中小企業者等の法人税の軽減税率の特例(税率を 15%とする特例)の延長適用期限が2年延長され、令和7年3月31日までに開始する事業年度につき適用される。 2.株式等を対価とする株式の譲渡(株式交付)に係る所得の計算の特例の見直し令和5年10月1日以後に行われる株式交付について、特例の対象から株式交付後に株式交付親会社が同族会社(非同族の同族会社を除く。)に該当する場合が除外される(所得税についても同様)。 |
当サイトに掲載の文章等の無断転載を禁じます。
全ての著作権は税理士法人タクトコンサルティングに帰属します。
無断使用、無断転載が発覚した場合は法的措置をとらせていただきます。