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2017.10.16固定資産税の広大地評価の見直し検討へ

総務省は、固定資産税における土地の評価の基準について、一部見直しの検討に入る模様です。

これは、国税庁が平成29年度税制改正大綱により財産評価基本通達24-2広大地の評価に代えて、財産評価基本通達20-2地籍規模の大きな宅地の評価を新設したことを受けてのことです。先ごろ行われた地方財政審議会の固定資産評価分科会で、国税庁の広大地の相続税評価の改正案や奥行価格補正率表の改正部分について報告がなされていたことから明らかになりました。

地方財政審議会(総務省設置法9条)は、総務大臣が固定資産評価基準を定める場合には、意見聴取をすることが法定されている国の機関です(地方税法388条2項)。総務省によると4年後の固定資産税の土地評価の評価替えに向けて、見直しの是非も含めて検討する模様です。

固定資産評価基準によると固定資産税における面積の大きな宅地の評価方法は、国税庁の財産評価基本通達24-2広大地の評価のように奥行価格補正と異なる補正を行う仕組みではありません。この仕組みの建付けは、東京都23区内の納税者がおよそ9,000㎡の宅地について固定資産税評価が高過ぎるため財産評価基本通達のような広大地の補正の適用を東京都に求めた裁判で、東京地裁が「(現行の)評価基準の定める評価方法によっても面積が一定程度広大であることについて、奥行価格補正率によって考慮することができ、評価基準が広大地補正を行わないことをもって面積が広大であることについて考慮されていないとはいえない」と説示した裁判例(平成29年4月27判決)からもわかります。このため見直しが検討されるのは、奥行価格補正率を中心としたものになる可能性が高そうです。

なお、この裁判で東京都が証拠として利用するため、一般財団法人日本不動産研究所に求めた報告書「大規模地に係る奥行価格補正率表の妥当性に関する調査」(調査報告書平成26年3月)では、都内23区内の土地について次にような記述がみられます。

1、現状、固定資産税の路線価算定の際に選ばれる「標準宅地」に比べて、区画分譲する戸建て住宅の敷地が縮小化し、路線価よりも高めの価格で取り引きされる傾向があること。
2、今後小規模な戸建て住宅敷地を前提とした路線価が展開されるようになると、「潰れ地の発生に伴う利用効率の低下による減価を分譲単価の上昇が相殺することができなくなる」こと。
3、そしてこの場合には「奥行価格補正率の見直しまたは規模に係る所要の補正を検討する必要がある」こと。

[ 遠藤 純一 ]

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