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2017.09.08固定資産税取り過ぎ損害賠償 住宅用地申告なしで3割過失相殺

東京都が住宅用地の認定を誤って固定資産税を取り過ぎていたとして平成7年度分からの税額を戻すよう争われていた国家賠償請求裁判で、東京地裁は結果的に税額が安くなる住宅用地の認定を誤ったのは実地に行う綿密調査が不十分だったからだとして、およそ700万円もの賠償を認容していたことがわかりました(平成29年5月10日)。

問題になったのは、1階部分をレストラン等とし、二階を住居としていた家屋の敷地などで、東京都は全体を住宅用地ではないものとして固定資産税を賦課していました。焦点になった税務上の特例は固定資産税の課税標準を低く抑える住宅用地の課税標準の特例(地方税法349条の3の2)です。これは1月1日の固定資産税の賦課期日において、住宅の敷地になっている土地に適用があるもので、住宅用地としてたとえば200㎡までの土地については評価額を6分の1にして課税標準とするというものです。

この不動産を所有者である納税者は、課税庁が実地に行う綿密調査をきちんとしていなかったから固定資産税を取り過ぎたと主張し、取り過ぎた税額に金利をつけて戻すよう請求していました。

裁判所は、一階がレストランから貸事務所へ変更されていることなど外観が変わったことがあり、幾度か綿密調査を実施する契機があったのにしていなかったことから、固定資産税の取り過ぎについて過失があり「国家賠償法上違法であるとの評価を免れない」と判断しました。

ただし裁判所は、納税者が住宅用地の申告等をすべき義務を負っていたことを重視。これは「市町村長は(中略)住宅用地について(中略)必要な事項を申告させることができる」(地方税法384条)との規定を基にしたものです。もっともこれは住宅用地の課税標準の特例の適用要件ではありません。

しかし裁判所は申告の義務があったにもかかわらず申告していなかった時期があり、住宅用地の課税標準の特例の適用の有無を判断するうえでは、納税者の協力が重要だったのに課税庁の住宅用地の認定を困難ならしめ、損害を発生、拡大させたとして3割の過失相殺を認めています。       

[ 遠藤 純一 ]

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