税理士法人タクトコンサルティングは相続対策・贈与・譲渡・事業承継など資産税専門の会計事務所です。相続税申告、遺産分割、生前贈与、民事信託・商事信託等、相続コンサルティング専門の税理士集団です。

TACTトピックス

不動産や株式などの財産の相続・贈与・譲渡、保有等の税務に関する最新情報をお届けしています。

2017.09.04実質民泊営業として固定資産税追徴へ

貸家を1日の期間でも貸す短期の定期借家にした住宅家屋の敷地について、民泊の紹介サイトにこの住宅が登録されていたことなどから、税務当局が実質的に旅館、ホテルと同じようなものだとして「住宅用地」の認定を取り消し5年分にさかのぼって課税されたケースが出てきました(京都市裁決平成29年8月7日)。

問題になったのは、固定資産税の課税標準を低く抑える住宅用地の課税標準の特例(地方税法349条の3の2)です。これは1月1日の固定資産税の賦課期日において、住宅の敷地になっている土地に適用があるもので、住宅用地として、たとえば200㎡までの土地については評価額を6分の1にして課税標準とするというものです。

裁決書によると、貸家の所有者は、平成18年に貸家を短期でも定期借家にするため京都市都市計画課に確認したところ、「期間について定めはなく、貸す側と借りる側で契約書を交わしておけば定期賃貸が成立する。」との回答をもらっていました。このため契約者には,不動産賃貸であって旅館やホテル等の宿泊業ではないことを説明し、1日だけでも1カ月の賃貸でも、すべて不動産賃貸借の契約書を交わしていました。

しかし、平成28年に京都市の税務当局は民泊の紹介サイトを確認するなど調査を行い、貸家の所有者に「住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置の見直しについて」の書面を出し、平成28年10月に納付書を送ったことから、争いとなったものです。

審査した京都市は、住宅用地特例の認定に当たり、京都の税務当局においては当該土地上の家屋が地方税法に定める「専ら人の居住の用に供する家屋」であると認定する判断基準として、京都市固定資産税等住宅用地認定基準の規定を設け、「住宅とは、特定の者が毎月1日以上の居住(これと同程度の居住 を含む。以下「継続的な居住」という。)の用に供する家屋」としていることを確認。また、認定基準の解説が定められ、「特定の者が継続的な居住の用に供する家屋とは、旅館、ホテル又はウィークリーマンションのように、数日間から数週間で居住する人が変わり、居住者が特定されないものは除くこと」としていることを確認しました。これらの規定については、地方税法の住宅用地の課税標準の特例(349条の3の2ほか)の立法趣旨に照らして合理性が認められるとしました。

さらに審査した京都市は、納税者が本件家屋の賃貸借の際に、その期間にかかわらず賃貸借契約書を交わしているとの主張について「貸家に対する住宅用地特例の適用については、契約書の形式にかかわらず、当該家屋の利用実態に応じて認定されるものと解すべき」と判断。そのうえで、「利用開始した当時から、一貫してその利用実態が数週間から数箇月契約の貸家であることについては争いがない」との事実関係の認定に立ち、認定基準等に定める「特定の者が継続的な居住の用に供する家屋」には該当しないものとし、問題の敷地については「住宅用地特例の対象とはなりえない」としています。

[ 遠藤 純一 ]

当サイトに掲載の文章等の無断転載を禁じます。
全ての著作権は税理士法人タクトコンサルティングに帰属します。
無断使用、無断転載が発覚した場合は法的措置をとらせていただきます。