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2017.07.18隣に変電所がある土地の相続税評価額10%減額できない場合

隣地に変電所がある土地の評価で、相続税をめぐって税務署とトラブルになった事例が明らかになりました(国税不服審判所平成28年10月4日)。

問題になったのは、市街化調整区域にある2筆合計約2,300㎡の土地で、内訳は道路に面する宅地とその奥にある不整形の雑種地でした。ちょうどこの地域は国税局の財産評価基準書ではこの地域は固定資産税評価額をも
とに土地の相続税評価額を算出する「倍率地域」とされていたところでした。

この2筆の土地を相続した人は、申告に当たり不動産鑑定士に問題の土地の鑑定を依頼。鑑定士は隣地の変電所が嫌悪施設に当たるとして、その土地の評価額から10%減価する等の評価額を算出、相続人はこれをもとに相
続税の申告をしました(他にも論点がある事案ですがここでは割愛します)。

しかし税務署は、申告した土地の評価額を否認したことから国税不服審判所での争いになったものです。

国税不服審判所は、財産評価基本通達で財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情を考慮すると定めていること、課税実務上、利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下
していると認められる宅地は、路線価や倍率がその利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合を除き、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した価額から、利用価値が低下して
いると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価していることを確認しました。

その上で、国税不服審判所は、「問題の土地が①変電所が所在することにより、問題の土地がその付近にある他の宅地の利用状況からみて利用価値が著しく低下していると認められ、かつ、②倍率方式により評価する地域
に存する問題の土地の価額の算定の基礎となる倍率が、本件変電所が所在することを考慮して付されていない場合には、減額を要する」と問題を整理しました。そして、倍率を評定するための標準宅地が、固定資産税評価
額を評定するための標準宅地と同一で、倍率は変電所があることを前提に評定されているものと推認できるとして、「10%減価を要しない」と判断しています。

[ 遠藤 純一 ]

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