第三十三回 相続は奥が深い
相続のプロになるには、多くの経験と人間を見る洞察力が必要です。
相続税の計算や節税は、仕事の中では、ほんの一部でしかありません。家族関係、個人の悩み、苦しみ、そして生き方、価値観を理解し、包み込む包容力が必要です。
相続や大きな問題等々で、窮地に追い込まれたお客様の中には、パニックになり、躁鬱状態になる人がいます。喜怒哀楽が激しく、声や表情がきつくなります。対応が難しくなり、逃げ出したくなる気持ちになってしまいますが、決して逃げないことです。
辛くて大変ですが、ここが勝負どころ。本人は苦しみ、家族も悩みます。
理屈で説得をしようとすれば、失敗します。可能な限り、側についている気持ちと姿勢を示します。ポーズだけではだめで、損得抜きです。腹をくくって臨みます。最後までついていく覚悟です。お客様はナイーブですから、こちらの本心をすぐに見抜きます。テクニック、知識、技術だけでは、表面だけのお付き合いになってしまいます。
全部がうまくいくわけではありませんが、ここを乗り越え、修羅場をくぐり抜けなければ、本物にはなれません。本当の優しさは、弱い人、苦しんでいる人に向けることなのです。
私達の仕事は、お客様の財産に関する「悩みとトラブルを解決」することですから。