第十六回 人間学を学ぶ
資産税の仕事をする上で、専門的な知識や情報を駆使して、話をしたり処理している分には、ストレスを感じることはほとんどありません。
ところが、いざお客様に説明、説得、さらには交渉となると仕事が一歩も前に進まなくなってしまうことがしばしばあります。
例えば、相続の財産分けで親族がもめてしまうことはよくあることです。
「そんな厄介なことは、税理士の仕事ではない」と考える人は、資産税の仕事の本質を理解していないと言っても過言ではありません。相続でもめることは必ずあるものです。分割が確定しなければ、配偶者控除、小規模宅地の評価減、さらには納税手続きもままなりません。
お客様は勿論、利害関係人がたくさん出てきます。事実確認、コミュニケーションと生身の人間を相手に説得、交渉は果てしなく続きます。勿論税務調査となれば、税務署との折衝は勿論、お客様をどう説得するかも重要なポイントになります。
資産税の仕事はお客様の一生を左右する場面に直面します。相手の心情、人間関係、欲得が渦巻きます。人間を理解する姿勢、接し方、連絡の取り方、まさに人間学そのものです。
専門知識だけではなく、人間に関する研究をしなければ、資産税の仕事は進められないと思います。