第九回 コンサルタントは意志決定に参加する
税理士は税務の判断をし、税金を計算します。お客様に意思決定のアドバイスはしますが、税理士が意思決定の方向性を決めることはしません。
A案とB案がありますが、決めるのはお客様自身です。
しかし、この姿勢ではお客さまは不満足です。
コンサルタントは、お客様の判断のアドバイスは勿論、意思決定に参加します。
「自分はこう考える」と自らの考えを示します。
意思決定に参加することは簡単ではありません。本人のことは勿論、家族や会社のことを過去、現在そして将来について洞察できなければなりません。お客様の価値観、人生の経緯を理解する必要があります。
コンサルタントの仕事はきわめて人間臭いものです。本人や家族から「実は我が家では・・・・」と本音を聞かされることがしばしばです。
数字や実績は結果をみればすぐに分かります。その上で本人が決断しますが、こちらの予測とは異なることがよくあります。
ある遺言書では、「全財産は娘に・・・・・」と言われてびっくりしたことがあります。遺留分の問題はともかくとして、あまりにも極端な内容でしたから。
じっくりその理由を聞きました。長い人生の中で、家族関係が崩壊してしまったようです。表面的には平穏のように見えて、実は大変な状態になっていたようです。遺留分の問題は、実務で解決しようと、腹をくくりました。