病院向け不動産ファンド
日本経済新聞(7月15日)によると北海道で七医療機関を運営する病院経営大手のカレスグループ(札幌市)はドイツ証券などと組み、全国の病院が保有する不動産に運用対象を絞った1000億円規模の投資ファンドを設立したと報じた。金融期間の融資に頼っている病院は施設の建て替えや高度医療機器の導入に新たな資金調達手段を得る。診療報酬引き下げなどで厳しさを増す病院経営の改革を後押しする役割を見込める。今秋を目途にファンドの運用会社を設立する。大手商社や不動産会社、エネルギー関連企業などからも出資を募る。ファンドの組成・運用はドイツ証券が担当。2007年にも不動産投資信託(REIT)として上場を目指す。ファンドは内外の機関投資家から資金を募集。来年3月から投資を始める。運用規模は上場時に三百億円で、最終的に一千億円規模に拡大する。病院の土地や建物を購入し、病院側が支払う賃料をもとに投資家に配当する。
全国の病院を投資対象とするが、監査法人から定期的にチェックを受けていることや財務格付け取得を条件に対象を絞る。投資ファンドから資金調達すると、病院は財務状況などを投資家に開示する必要もでてくる。情報開示に消極的だった病院経営の透明化にもつながる見通し。
全国公私病院連盟が民間三百十七病院を対象に05年6月の単月収支をアンケート調査したところ、43%の病院が赤字であった。患者を増やすには施設の建て替えやMRIなど高額な最新鋭機器の導入が不可欠。ただ、病院の建て替えは一般に百床規模で十億から三十億円かかるとされる。病院の資金需要拡大を見込み、野村グループも病院・介護施設が保有する不動産を対象にした二千億円規模の投資ファンドを立ち上げており、今後も病院の調達手段の多様化が進みそうだ。
